生命保険の裏ワザ活用術をご紹介

連結納税制度を利用して法人税を節税する

連結納税制度とは、主に親会社と子会社の損益を通算して法人税額を決定する制度のことです。通常、分社化した場合は元の会社と新しい会社は別々に決算を行うため、それぞれの利益と損失を合算することはありません。

しかし、親会社と子会社の関係となっていれば、連結納税制度を利用することでそれぞれの利益と損失を合算して決算を行うことができます。

連結納税制度を利用するための条件

連結納税制度を利用するための大前提として、親会社と子会社の関係であることが求められます。それも100%子会社であることが条件です。

ただし、100%子会社であったとしても、自動的に連結納税制度が適用されるわけではありません。

連結納税制度を利用するかどうかは各企業の選択に委ねられています。100%子会社であっても利益と損失を親会社と合算する必要がないのであれば、税務署に申請しなければ連結納税制度は適用されません。

逆に言えば、連結納税制度の適用を受けたい場合は、所定の期日までに申請を行う必要があります。

申請期限は連結納税制度の適用を受けたいと考える事業年度の開始日の半年前までとなっています。一般的な税務関係の申請と比べて、申請の締め切り時期がかなり早い点には注意してください。

連結納税制度を申請するときの注意点

連結納税制度を利用する上でいちばん気を付けるべきなのは、連結納税制度は一度適用されると原則として変更できない点です。

つまり、一度親会社と子会社で連結を行ってしまうと、後で条件が悪くなったからと言っても変更することができなくなってしまいます。

正確に言えば、親会社と100%子会社の関係を解消してしまえば連結納税制度も適用されなくなりますが、手続きが大変であるため気軽に行えるものではありません。

また、連結納税制度は必ず法人税の節税につながるというわけではなく、場合によっては逆に法人税の支払いが増えてしまうこともあります。

そのため、親会社と子会社の両方が連結納税制度によって節税できるための条件を満たし続けられるのか、冷静に考慮して申請する必要があります。

連結納税制度の節税メリット

連結納税制度の最大のメリットは親会社と100%子会社の損益を通算できることです。

例として、親会社が1000万円の利益を出し、子会社が500万円の赤字を出した場合を考えてみましょう。

連結納税制度を利用しない場合はそれぞれ個別に決算を行うことになります。法人税率を20%とするなら、親会社の法人税は200万円、子会社は赤字のため法人税の課税なしです(正確には法人住民税の均等割は最低7万円ほど発生します)。

連結納税制度を利用して損益通算した場合、1000万円の利益と500万円の赤字で差し引き500万円の利益となります。法人税率20%なので発生する法人税は100万円となります。

同じ1000万円の利益と500万円の赤字なのに、損益通算することで法人税の支払い額が減っています。

このように、連結納税制度では、どちらかの会社が黒字でもう一方の会社が赤字のときに節税効果が大きくなります。逆に、両方の会社とも黒字となっている場合は、中小企業であれば800万円まで軽減税率が適用されるため、連結納税制度を利用しない方が税金が安くなる傾向にあります。

また、子会社が含み損のある資産を抱えている場合、連結納税制度を利用していればその含み損も実質的に親会社の損失として計上することができます。

他にも、親会社から子会社、あるいは逆に子会社から親会社に資産を譲渡した場合に、譲渡益を会社間で繰り延べることができます。

さらに、会社が他の会社から配当金を受け取った場合は通常は益金に算入となって課税対象になりますが、連結納税制度を利用する場合は、親会社が子会社から受け取った配当金に関しては益金不算入となります。

以上が連結納税制度の代表的な節税メリットとなります。

連結納税制度の申請を考えても良いケース

すでに述べたように、連結納税制度は一度適用を申請してしまうと、原則として変更することができなくなります。そのため、申請を行う前には慎重に検討する必要があります。

しかし、次のような場合には連結納税制度を利用することで税負担を抑えられる可能性が高いため、利用を検討しても良いでしょう。

1. 黒字の会社と赤字の会社の両方を所有している
2. 会社の分社化を考えているが、新しい会社は当面赤字が続くと見込まれている
3. 経営不振の会社を買い取って再建を考えている
4. 多額の繰り越し欠損金のある会社を持っている

いずれの場合も、経営者が複数の会社を所有しており、なおかつその中に赤字の会社が含まれています。連結納税制度によって大きく税金を節税できるのは、黒字の会社と赤字の会社の両方があるケースです。

4について補足しておくと、繰り越し欠損金には損金算入に期限があります。しかし、赤字が続いている場合は損金に算入できませんので、そのまま期限切れとなってしまうこともあります。

そんなときには黒字の会社と連結納税すれば、繰り越し欠損金を黒字の会社の利益にぶつけて相殺することができます。