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避けるべき社会保険料の節約方法ー厳しいペナルティーのリスクあり

社会保険料の支払いは将来もらえる年金額に関係するなど、経営者や従業員の福祉に大きく影響します。一方、少子高齢化の進展に伴って年々負担が増えており、特に中小企業にとっては経営の圧迫要因となっていることも事実です。

従って、合法的な手段によって適切な社会保険料の節約を図ることは重要です。

一方で、社会保険料の節約方法の中には限りなく黒に近いグレーのものや、明確に違法なものもあります。そのような節約方法を下手に使ってしまうと、厳しいペナルティーが科せられたり、最悪の場合には刑事罰の対象となってしまいます。

今回は避けるべき社会保険料の節約方法について解説します。

避けた方が良い二つの社会保険料の節約方法

代表的なものは次の二つです。

1. ニか所からの給与支給にし、一か所の給料だけ申告
2. 正社員から個人への業務委託に切り替える

1. ニか所からの給与支給にし、一か所の給料だけ申告

複数の法人を所有している場合、社員一人に対する給与の支払いをひとつの会社からではなく、ふたつの会社から分割して支給すれば、社会保険料の負担を減らせると言われています。

例えば、年収400万円の社員がいる場合、法人Aから200万円の給与を支給し、法人Bからも200万円の給与を支給するといった具合です。

この場合、該当する社員の方は社会保険に二重に加入することはできないため、法人Aまたは法人Bのどちらかで社会保険に加入することになります。

そのとき、ひとつの会社から支給される200万円だけを給与支給額として申告して社会保険に加入すれば、社会保険料の負担は軽くなります。社会保険料は給与額を基準に決まるからです。

この方法は一見合理的な社会保険料の節約方法に思えますが、実は明確に違反しています。

社会保険に加入するときの給与額の申告は、すべての給与を合算して行わなければいけません。二か所から給与を受け取っている場合には、どちらか片方ではなく両方の給与を合わせた額を申告しなければいけないわけです。

片方の給与しか申告していないことが社会保険指導調査で発覚した場合、未払い分に関して過去2年に遡って社会保険料を請求されてしまいます。

社会保険料の節約方法として実しやかに語られる方法ではありますが、実は非常に違法であり、非常にリスクが高いのです。

2. 正社員から個人への業務委託に切り替える

正社員や契約社員など、会社と長期の雇用契約を結んだ社員の方は、原則として社会保険への加入義務が生じます。

しかし、業務委託契約や請負契約の場合には社会保険に加入する義務はありません。

この仕組みを利用して、本来であれば正社員や契約社員として雇用されるはずの方に業務委託などの形で働いてもらえば社会保険料の節約ができるとされています。

もちろん、本当に業務委託や請負契約の形で働いているのであれば問題ありませんし、社会保険料の支払いが生じないのも当然です。

しかし、実質的に正社員や契約社員と変わらない形で働いているのにも関わらず、業務委託契約を結んで社会保険に加入していない場合には、加入逃れと見なされる可能性があります。

社会保険逃れのペナルティーは非常に重い

年金事務所などの調査によって社会保険料の支払いを不当に逃れていたことが発覚した場合、当然「それではちゃんと社会保険に加入してくださいね」で済むことはありません。

まず、未払分に関して過去2年間に遡って請求されます。

例えば、社員一人あたり年間60万円分の社会保険料を未払いだったとしましょう。2年分で120万円の請求となります。役員や社員が合計5人いれば600万円、10人いれば1200万円の請求です。

一般的な中小企業にとってはキャッシュフローに大きな影響を与えてしまう額でしょう。

もちろん、社会保険料は労使折半ですので、本来の会社負担分は社会保険料の半分です。しかし、社員がすでに退職していた場合や、会社主導で社会保険逃れを行っていた場合は、最終的に会社が負担することが多くなります。

さらに、未払の社会保険料に対しては延滞利息が付いたり、悪質な場合には罰金が加算されることもあるため、支払い額はさらに大きくなります。

特に近年は社会保険への加入を義務付ける傾向にありますので、かつては黙認されていたケースでも社会保険逃れと見なされる場合があります。

常識的な範囲での社会保険の節約は大切ですが、リスクの高い節約方法は利用しない方が良いでしょう。