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会社の創立費を経費として法人税を節税する

会社の設立準備から営業開始までには一定の期間がありますが、その間に発生した経費もまた損金にすることができます。つまり、法人税の節税に利用できるわけです。

営業開始までに発生する経費としては創立費、開業費、株式交付費、社債発行費などがあります。今回は、会社の設立に関わる「創立費」について解説します。

どのようなものが創立費になるのか

創立費とは文字通り会社の創立に関わる費用のことです。実際に会社の設立を計画し始めてから、登記を行うまでに発生した費用が創立費となります。

具体的には次のような費用です。

・定款および諸規則作成のための費用
・株主募集のための広告費用
・株式申込証、株券、目論見書などの印刷費用
・創立事務所の賃借料
・発起人への報酬
・設立事務に使用する使用人の給与
・証券会社など金融機関の取扱手数料
・創立総会の費用
・設立登記の登録免許税
(Wikipedia「創立費」より)

上に挙げた費用は会計上の創立費にあたります。創立費には会計上の創立費と節税上の創立費があり、経理処理も異なります。

法人税に関わるのは税法上の創立費ですが、税法上の創立費は会計上の創立費よりもさらに幅広くなります。

例えば、会社登記の打ち合わせのために会議室をレンタルした場合には、その賃借料も創立費に含めることができます。

創立費と開業費の違い

創立費と開業費の違いでポイントとなるのは、時期です。

大雑把に言ってしまえば、会社を登記するまでに発生した費用は創立費となり、会社登記後から営業を開始するまでに生じた費用は開業費になります。

先に挙げた会議室の例では、会社設立のための打ち合わせで会議室をレンタルした場合、時期的には会社の登記前になるため、創立費となります。

一方、会社の登記後に、営業開始について打ち合わせをするために会議室をレンタルした場合、時期的にはもちろん登記後になります。そのため、会議室の賃借料は開業費となります。

創立費と開業費のどちらになるかは、会社設立(登記)前なのか、会社設立後から営業を始めるまでなのかの時期によって決まります。

なお、会社設立前に生じた費用のうち、会社設立に直接関係ないもの(例えば、営業のための名刺の印刷など)は創立費にも開業費にもなりませんが、経費として計上することは可能です。

創立費による法人税の節税

創立費は繰延資産となります。繰延資産とは、将来にわたって効果が継続する資産のことです。費用なのにも関わらず資産として扱われるのは、会社を設立したことで資金を調達できることにより、以後収益を上げられるようになると見なされるからであるとされています。

創立費は任意償却することができます。つまり、好きな年度に好きな額だけ損金にすることができます。

この特徴は法人税の節税において非常に有利です。

利益が少なかったり他の節税策が功を奏して赤字となった年度には創立費を償却せず、翌年に大きな利益が出た場合に必要分だけ償却することができるからです。

例えば、初年度には利益が見込まれるが、二期目と三期目にはあまり利益が出ないケースを考えてみましょう。

この場合、初年度に可能な限り創業費を償却してしまえば、利益を圧縮して法人税の支払いを減らすことができます。初年度の法人税の支払いを減らしておけば、利益が少ないと見込まれる二期目と三期目に備えることができます。

また、創立費に償却期間がないのは強みと言えるでしょう。多くの償却資産は償却期間が定められており、その間に償却しなければいけません。

創立費は償却期間がないため、利益が少ない年度が続く場合には償却を繰り延べ、大きな利益が発生する年度に取っておくことができます。これは、償却期間が初年度または初年度から5年間に定められている開業費よりも創立費が有利な点です。

会社が実際に営業を始めるまで、発生した経費は損金にできないと思われるかもしれませんが、創立費や開業費など、営業開始前に発生した経費もしっかりと損金にすることができます。

しかも、創立費なら償却期間がなく、任意の額を任意の年度に償却できるため、その節税効果は非常に高いと言えます。

適切に損金をつくって法人税を節税することは会社経営において非常に重要ですが、効果的に節税できるかどうかはすでに会社設立前から始まっているのです。登記から実際に営業を開始するまでの間にしっかりと創立費と開業費を計上しておけば、節税上より有利な状態でスタートアップできます。