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源泉徴収ありの特別口座で株式取引を行った場合でも確定申告が必要なケース

経営者の中には個人で株式取引を行っている方もいるでしょう。

個人で株式取引を行った場合、基本的には確定申告が必要となりますが、源泉徴収ありの特別口座を使っていれば確定申告が不要となります。

しかし、いくつかのケースでは確定申告をしなければ、税金の支払いで損をしてしまうことがあります。

個人として株式取引を行うなら源泉徴収ありの特別口座がオススメ

会社経営者が株式取引を行う場合、法人として行うか、個人として行うか二つの選択肢があります。

法人として行った方が、他の収入と損益通算できる、様々な節税策を使って利益を圧縮できるなど、多くの節税メリットがあります。しかし、法人税と個人の株式譲渡益にかかる税金では、最大37%と20%と、法人税の方が税率が高くなっています。

株式投資以外にも本業や他の投資が順調で、最終的な課税所得が大きくなってしまうのであれば、法人の方が税負担が大きくなってしまう可能性があります。

そのような場合には経営者個人で株式投資を行うのも手でしょう。

個人が株式投資を行って利益を出した場合、基本的には確定申告が必要となります。しかし、証券会社で「源泉徴収ありの特別口座」を開設して取引を行えば、税金分を自動で徴収してもらえるので確定申告は不要になります。

しかし、以下の場合には確定申告の必要が出てきます。1と2に関しては義務ではありませんが、確定申告しなければ支払う税金が多くなってしまい、実質的に損してしまうことになります。3の場合は確定申告が必要になります。

1. 最終的に損失が出た
2. 利益が20万円以下
3. 複数の証券会社の口座を運用している

1. 最終的に損失が出た

株式取引の損益や受け取った配当金をすべて通算した結果、損失が出てしまった場合には確定申告は必要ありません。

しかし、個人が株式取引等で出した損失は最長3年間(法人の場合は最長9年間)繰り越すことができます。

この「損失の繰り越し」を利用するためには、赤字が出た時に確定申告しておく必要があります。これは、源泉徴収ありの特別口座を使っている場合でも例外ではありません。

2. 利益が20万円以下

1箇所の事業所などから給与を受けており、また年収2000万円以下であれば、株式譲渡益や配当金の利益を合わせた総額が年間20万円以下の場合は税金は発生しません。

しかし、源泉徴収ありの特別口座を使っている場合、最終的な利益が20万円以下になった場合でも、20%の税金を源泉徴収されています。

この源泉徴収分の還付を受けるためには確定申告が必要です。

単純な例ですが、最終的な利益が17万円だった場合、20%の3万4000円が源泉徴収されます。この3万4000円は本来であれば支払わなくてよい税金なので、確定申告を行えば戻ってくるわけです。

3. 複数の証券会社の口座を運用している

複数の証券会社の口座を利用している場合、それぞれの口座の損益を通算するために確定申告が必要となります。

例えば、A社、B社、C社の三社を使って3つの取引口座を運用しているとしましょう。もちろん、3つの口座はすべて源泉徴収ありの特別口座です。

それぞれの口座は、その口座を使った取引については自動で損益通算し、税金を徴収してくれます。赤字となった場合はもちろん、黒字となった取引で徴収された分が戻ってきます。

しかし、これらの口座はすべて異なった証券会社の口座になるため、口座間での損益通算は自動で行ってくれません。次の例で考えてみましょう。

A社 50万円の利益
B社 40万円の損失
C社 30万円の利益

それぞれ個別に税金を考えた場合、税率20%としてA社では10万円、C社では6万円の税金が発生します。B社は赤字となっているので税金は発生しません。支払う税金は合計で16万円です。

しかし、この計算結果は誤りです。個人の場合でも、株式取引で発生した損益は異なる証券会社の口座を使っていても全て通算します。

したがって、正確にはA社とC社の利益の合計80万円から、B社の損失40万円を差し引いた40万円が最終的な利益となります。税金は40万円の20%なので8万円です。これが本来支払う必要のある税額です。

今回の例では、それぞれの口座で個別に計算した場合よりも全口座まとめて損益通算した方が支払う税金の額が少なくなりました。場合によって、逆に全口座まとめて損益通算した方が支払う税金が増えてしまうこともあるでしょう。

しかし、これはどちらかの方法のうち税金が安くなる方を選べるというわけではありません。

株式の譲渡益や配当金に関しては、異なる会社の口座を複数運用していようが、すべて損益通算して税金を計算しなければいけません。

源泉徴収ありの特別口座を使っていても、複数の口座を運用している場合には確定申告が必要になるので注意してください。