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個人事業主が法人化した場合に起こりえるデメリット

個人事業主が法人化した場合は、さまざまな節税策が利用できるようになります。

一方、場合によっては法人成りしたことで生じるデメリットもあります。

個人事業主が法人化した場合に起こり得る6つのデメリット

1. 所得が低い場合は個人事業主の方が税負担が軽いことが多い
2. 赤字でも法人住民税が発生する
3. 会社設立時に費用が発生する
4. 会計処理が面倒になる(税理士費用が発生する)
5. 一部の経費は個人事業主の方が節税できる額が大きい
6. 社会保険の加入が義務となる

1. 所得が低い場合は個人事業主の方が税負担が軽いことが多い

個人事業主は利益に対して所得税が課せられます。所得税は累進課税となっており、最低5%、最高45%の税率となります。

一方、法人の利益に対しては法人税が課せられますが、こちらの税率は一定です。2017年の実行税率は23%程度となっています(中小企業は条件を満たせばさらに低くなります)。

つまり、利益が低い場合は、法人よりも個人事業主の方が税率が低くなります。

所得税は、課税所得330万円超695万円以下で税率が20%となりますので、この所得額よりも低い場合は個人事業主の方が税負担が少なくなる傾向にあります。

逆に、課税所得が900万円を超えると所得税率が33%以上となるため、同じ所得の場合は法人の方が税負担が少なくなります。

法人化のメリットは税負担の軽減だけではありませんが、所得が少ない場合には個人事業主の方が良い場合もあります。

2. 赤字でも法人住民税が発生する

個人の場合、赤字となって課税所得がない場合は、所得税や市民税は発生しません。

ですが、法人の場合は赤字であっても法人住民税の課税は生じます。

法人住民税には、「法人税割」と「均等割」がありますが、赤字の場合は法人税割の部分は0になります。しかし、均等割は赤字でも最低7万円程度は発生してしまいます。

そのため、法人では赤字でも年間で最低7万円の法人住民税は支払わなければいけません。会社を立ち上げたばかりで赤字の場合は、決して少なくない負担です。

3. 会社設立時に費用が発生する

節税上のデメリットというわけではありませんが、会社を立ち上げる際には一定の費用が必要となります。

資本金は1円からでも起業できますが、公証人手数料や定款印紙代、登録免許税などのもろもろの費用が必要となり、株式会社であれば電子認証定款で20万円ほどかかります(紙の定款の場合は24万円)。

十分な利益を上げている個人事業主が法人成りした場合は、20万円の費用を補って余るほどの節税メリットがありますが、十分な利益が上がっていない、またはしばらくは赤字が続く見込みで会社を設立した場合は初期費用さえも負担になり得ます。

4. 会計処理が面倒になる(税理士費用が発生する)

個人事業主であれば、白色申告であれ青色申告であれ、何とか独力で会計処理をこなし、確定申告することができます。

ところが、法人化してしまうと会計処理が一気に複雑・煩雑になり、経理の知識がなければ不可能になります。

仮に経理の経験があったとしても、一人で処理していると手間と時間がかかり、本業の方に差支えが出てしまうしょうでしょう。

そこで税理士に依頼することになりますが、会社の利益が少ないと税理士費用もまた負担になってしまいます。実は、個人事業主が法人成りしたときに、最も負担が増えるのは税理士費用であるとも言われているくらいです。

5. 一部の経費は個人事業主の方が節税できる額が大きい

法人と個人事業主では、法人の方がさまざまな節税策を実施することができるため、節税の幅が大きくなります。

しかし、中には個人事業主の方が有利なこともあります。

代表的なものが交際費。

個人事業主であれば、事業に関係あるものであれば、基本的に交際費に上限はありません。

しかし、法人の場合はさまざまな制約があり、思ったほど交際費を計上することができない場合もあります。

これはどのような経費を計上しているのかにもよりますが、個人事業主のときに多くの交際費を計上していたのであれば、法人化によって節税できる額が減ってしまう可能性はあります。

ただし、中小企業の場合は大企業ほど交際費の制限は厳しくないため、それほど交際費を計上しないのであれば個人事業主と比べてデメリットを感じることはないかもしれません。

6. 社会保険の加入が義務となる

個人事業主の場合、多くの方が国民年金と国民健康保険に加入していると思います。

法人化した場合は、社会保険への加入が義務となります。社会保険料は会社と個人で半分ずつ負担となるため、利益があまり上がっていない状態や、赤字のときには負担となるでしょう。

ただし、厚生年金の方が国民年金よりも将来的に多くの年金を受給できるため、社会保険の方が後々のことを考えると良いでしょう。

以上、個人事業主が法人化した場合に起こり得る節税上のデメリットをまとめました。いずれのデメリットも、主に「利益が十分に出ていない、または赤字である」場合に法人化すると起こり得るものです。

十分な利益が出ているのであれば、法人の方がさまざまな節税を行えますし、社会的な信用も高まるのは言うまでもありません。