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配偶者を扶養に入れることで経営者の所得税を節税する

経営者に配偶者や子供がいる場合は、扶養に入れることで税金の負担を軽くすることができます。

扶養には所得税に関するものと健康保険に関するものがありますが、今回は所得税の扶養について解説します。

家族を扶養に入れることの節税メリットとは?

配偶者や子供を扶養に入れると聞くと、サラリーマン家庭をイメージするかもしれません。実際、同じ収入であっても、独身者とサラリーマンでは後者の方が扶養控除を利用すれば、所得税や保険料の負担が軽くなります。

しかし、扶養のメリットはサラリーマンだけじゃなく経営者にとっても同様です。

経営者は役員と言う扱いになりますが、家族や子供を扶養に入れることで一般の従業員と同じように所得税の控除を受けることができます。

節税と言うと中古自動車を社用車として購入して減価償却したり、法人保険に加入したりすることを思い浮かべるかもしれませんが、配偶者や子供などの家族を扶養に入れるなどの基本的な対策も大きな節税効果をもたらします。

以下では主に経営者が配偶者を扶養に入れるケースについて見てみましょう。

所得税の扶養控除のメリット

配偶者を扶養に入れることの最大のメリットは、何よりも扶養を行う方(この場合は経営者)の所得税負担が軽くなることです。

配偶者の年収が150万円以下であれば、38万円の控除を受けることができます。経営者個人の負担する税金が少なくなるので、手元に残るお金が多くなります。

また、扶養控除が38万円あることを見越して、会社が経営者に支払う給料を38万円増額すれば、法人税の節税にもなります。

一方、配偶者自身も年収が150万円以下であれば所得税と市民税の負担は極めて軽くなります。年収103万円以下であれば住民税は非課税です。

わずかであって配偶者の手取り額が大きくなれば、家計にとっては助けとなります。

所得税における扶養控除の条件

所得税の配偶者控除を受ける主な条件は以下の4点です。

1.配偶者の「所得」が38万円(「年収」103万円)以下であること
2.婚姻の届け出がある配偶者であること(内縁関係は不可)
3.経営者と生計を同一にしていること
4.青色申告の専従者給与を受け取っていないこと

まず、最初の注意点は、扶養控除の上限額が増えたことです。

かつては「103万円の壁」という表現があったように、扶養に入る配偶者の年収は103万円が上限となっていました。

年収が1円でも103万円を超えると扶養に入ることはできません。

しかし、平成30年度からは所得税の扶養控除の対象となる方の年収は、上限が150万円に引き上げられています。

そのため、年収が103万円を超えないように気にしながら働いていた主婦の方などにとって、より収入を増やせるようになっています。

次に、婚姻の届け出がある配偶者であることも条件となります。内縁関係の場合は所得税の扶養控除の対象とはなりません。

3つ目の条件は「同一生計」と呼ばれるものです。生計を同一にしていれば、必ずしも同居している必要はありません。

最後の「青色申告の専従者給与を受け取っていないこと」は、会社経営者の場合は気にする必要はありません。しかし、個人事業主の場合に注意が必要な点です。

個人事業主の場合、原則として配偶者などの家族に支払った給料を経費とすることはできませんが、「青色申告の専従者給与」とすれば経費にすることができます。

しかし、この場合は、配偶者を扶養に入れて所得税の控除を受けることができなくなります。

法人の場合、配偶者を従業員として給料を支払い、給料を損金にしていたとしても、配偶者の年収が150万円以下であれば扶養控除を受けられます。

所得税における扶養控除の注意点

配偶者の年収が150万円を超えてしまった場合は「配偶者特別控除」が利用できる

労働時間の計算ミスや、急なボーナスなどで配偶者の年収が150万円をこえてしまった場合、扶養に入ることはできません。

当然、経営者は38万円の控除を受けることはできなくなりますが、一方で「配偶者特別控除」という救済策を利用することができます。

これは、扶養を行う方(経営者)と配偶者の所得に応じて、一定額の控除を受けられる制度です。38万円よりは控除額は低くなりますが、それでも全く控除がないよりは税金の負担が軽くなるため、使わない理由はないでしょう。

ただし、控除を受けられる上限額があるので、経営者や配偶者の収入が大きい場合は控除額が0円となります。目安としては、経営者の年収が1200万円を超えると控除を受けられなくなります。

上限年収150万円の注意点

扶養と言った場合、所得税と健康保険の二種類の扶養があります。今回は所得税の扶養について説明しましたが、健康保険の扶養とは条件などが異なる部分もあります。

特に注意が必要なのは、健康保険の扶養では、配偶者の年収の上限が130万円であることです。

つまり、配偶者の年収が150万円の場合、所得税の扶養には入れますが、健康保険では扶養に入れません。配偶者の年収が130万円以上の場合は、配偶者も健康保険に加入する必要があり、保険料の支払いの分、家族の手元に残るお金がなります。

また、健康保険では、「130万円の壁」に加え、「106万円の壁」もあります。これは、配偶者の年収が106万円を超えると、労働時間などの一定の条件を満たすことで社会保険の加入義務が発生するものです。

これについては健康保険における扶養について説明していますので、合わせてご覧になってください。