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法人で株式投資を行うことの税制上のメリット

本業で十分に利益を上げられるようになった場合、節税なども兼ねて株式投資を行うことを考える経営者の方もいるでしょう。それでは、株式投資は個人と法人のどちらで行った方が良いのでしょうか。

法人で株式投資を行うことのメリットとデメリットを解説します。

法人で株式投資を行うメリット

1. あらゆる所得を損益通算できる

法人の場合、本業からの収入であろうが、不動産からの収入であろうが、発生した利益と損失はすべて通算することができます。これは、株式取引で発生した損益について同じです。

個人の場合、会社から支給された給料や、個人事業主が得た事業所得、株式取引で得た所得、あるいは仮想通貨取引で得た所得などは、それぞれの所得の中でしか損益通算することができません。

例えば、株式取引で大きな損失を出していたとしても、事業所得が黒字ならその分には税金がかかってきます。

法人の場合は全ての損益を通算できますので、株式取引で損失が出た場合、その分事業所得の黒字を圧縮することができます。

2. 損失を最大で7年間繰り越すことができる

株式取引で損失を出してしまった場合、その赤字分は最大で7年間繰り越すことができます。

個人であっても株式取引であれば繰越はできますが、個人は最大で3年間となっているため法人の方が優遇されています。

また、個人の場合は株式譲渡益に対してしか損失を繰り越せません。

例えば、前年度に株式取引で50万円の赤字を出し、当年度も株式取引で10万円の赤字、しかし本業では50万円の黒字であった例を考えてみましょう。

個人の場合、当年度の株式取引も赤字なので、前年分の50万円の損失で相殺することはできません。翌年に合計60万円の損失を繰り越せるだけです。

一方、法人であればすべての損益を通算できるため、当年度の利益40万円(株式取引の損失10万円+本業の利益50万円)から、前年度の赤字50万円を引くことで10万円の赤字にすることがきます。赤字になるともちろん法人税の発生はありません(法人住民税が最低7万円は発生します)。

3. さまざまな節税策が利用できる

個人(個人事業主)でも節税は行えますが、法人の方が利用できる節税策はずっと多いと言えます。

そのため、個人と法人が同じ位の利益を得たとしても、法人の方が節税策によって利益を圧縮できるため、手元に残るお金が大きくなります。

節税策としては例えば、家族を従業員にして給料を支払ったり、中古自動車を社用車として購入したり、法人保険に加入するなどの例があります。これらの節税策については、株式投資で得た利益だけでなく、法人の得た利益すべての節税につながります(すでに述べたように、法人は全ての損益を通算できるからです)。

具体的にどのような節税策があるのか、また個々の節税策のメリットとデメリットに関しては当サイトで詳しく説明していますので、ぜひご覧になってください。

4. 受取配当金の20%が益金不算入となるケースが多い

条件があるため必ずというわけではありませんが、法人として配当金を受け取った場合、その20%が益金不算入となるケースが多くあります。

これは、その分まるまる非課税になるということなので、節税上非常にメリットがあります。

個人の場合は配当金控除があっても5~15%程度です。配当金の額が大きければ大きいほど、法人の方が有利と言えます。

5. 株の配当などを多く貰えることがある

株式を保有すると配当を受け取ることができますが、受け取れる配当には上限があります。

例えば、1000株以上で何らかの配当をもらえる場合、2000株や3000株持っていたとしても受け取れる配当は同じです。

そこで、個人と会社の両方でそれぞれ1000株以上保有していれば、配当を二重に受け取ることができます(個人と会社では当然資産は別会計となるので、正確には二重とは言えないかもしれませんが)。

配当目当てなどで、特定の企業の株を多く持ちたい場合は、個人と法人で分けて保有するのも手です。

配当の受け取りに限らず、個人と法人で株式を持ち分けるのは多く場合に有効です。

実は、個人の場合は株式譲渡益にかかる税金は所得税と市民税合わせて20%なので、法人の場合よりも税率が低くなるケースが多くなります。また、個人の場合、株式譲渡益は分離課税なので、株式譲渡益が大きかったとしても他の所得にかかる税金に影響を与えません。

これが法人の場合、すべての損益が合算されるため、本業の利益と株式取引の利益が大きい場合は、かえって税金の負担が大きくなってしまう可能性があります。

今回は法人で株式取引を行うメリットを紹介しましたが、場合によっては個人で株式取引を行った方が税負担が少ないこともあります。その辺りは、株式取引でどの程度利益を上げられるのか、また本業でどの程度利益を上げているのかにもよります。