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経営者の子供や親族を従業員にして法人税を節税する【家族従業員】

配偶者のいる経営者の方なら、配偶者を常勤役員や非常勤役員にすることで所得を分散させ、所得税・市民税や社会保険料などの負担を減らすことができます。

しかし、会社の利益が大きい場合には、経営者と配偶者の二人だけでは十分に節税できないことも。そんな場合には、子供や親族を会社の従業員とすれば、さらに節税することができます。

子供や親族を従業員にしてさらに節税

配偶者を役員にしたときの節税メリットをまとめると、以下の3点が挙げられます。

1. 所得を分散させることで所得税・市民税や社会保険料の税負担を全体的に下げられる
2. 退職金を支給することで相続税・贈与税対策ができる
3. 給与や賞与を損金に算入し、法人税を節税できる

これらの利点は、そのまま配偶者以外の家族を従業員にした場合にも該当します。

1. 所得を分散させることで所得税・市民税や社会保険料の税負担を全体的に下げられる

会社の利益が大きい場合には、経営者と配偶者の二人だけでは十分に所得を分散させられない可能性もあります。

例えば、毎年4000万円近くの利益が上がっている企業であれば、経営者と配偶者二人で等分すると、それぞれの給料・賞与は2000万円となります。この額だと、所得税や市民税、社会保険料の負担は決して軽いものではないでしょう。

ここで、子供2人と親族1人を従業員とし、合計5人に分配した場合を考えてみましょう。

分配の割合は任意ですが、例えば、役員である経営者と配偶者に1250万円ずつ、従業員である子供2人と親族1人に500万円ずつ給料・賞与の形で支給すれば、経営者と配偶者の二人だけの場合よりも最終的に家族全体に残るお金は多くなります。

2. 退職金を支給することで相続税・贈与税対策ができる

経営者1人だけが会社から役員報酬や役員賞与、退職金を受け取って大きな個人資産をつくると、相続の際に相続税・贈与税の問題が発生します。

相続税・贈与税の負担は他の税金と比べてとても重いため、残された家族に思ったように資産を遺せない可能性もあります。

配偶者だけでなく、子供や親族を従業員にしておけば、給料や賞与、退職金という形で会社の利益を個々人に移すことができます。

分かりやすくまとめると、会社から経営者への給料・退職金→経営者から子供・親族への相続という形よりも、会社から子供・親族への給料・退職金という流れの方が、相続・贈与を行わなくて済むためより多くのお金を残すことが可能です。

3. 給与や賞与を損金に算入し、法人税を節税できる

先に上げた二つの利点は、所得税・市民税や相続税・贈与税に関わります。つまり、主に個人に関わる節税メリットです。

子供や親族を従業員にすれば、個人だけでなく法人税の節税にもつながります。

経営者や配偶者を役員にすれば、役員報酬や役員賞与を損金にできますが、役員報酬や役員賞与の損金算入には厳密なルールがあります。特に、年度途中の変更は原則としてできないため、急に大きな利益が上がったときには対応しにくいこともあります。

また、同規模の同業他社と比較して過剰に高額な役員報酬や役員賞与は、税務署によって損金算入が否認されるリスクもあります。

経営者の親族や子供を従業員にしておけば、利益の状況に応じて柔軟に給料や賞与を増やすことで損金をつくり、法人税の節税を行えます。

以上の3点が経営者の子供や親族を従業員にした場合の主な節税メリットです。

他にも、年間の給料が103万円以下の場合は社会保険に加入せず、経営者の扶養に入ることもできます。この点も配偶者を非常勤役員や従業員にした場合と同じ利点です。

経営者の子供や親族を従業員にする場合の注意点

経営者の子供や親族を従業員にするときに注意しておきたいのは、配偶者の場合と同様に「みなし役員」とされないよう気をつけることです。

みなし役員とみなされると、給料や賞与の扱いが役員と同じになってしまいます。

つまり、年度の途中で支給額を変更すると損金に算入できる額が減ったり、賞与を損金に算入する場合は税務署に届け出る必要が出てくるなど、従業員と比べてさまざまな制約が出てきます。

みなし役員と見なされるにはいろいろな条件がありますが、「会社の経営に従事している」という項目が特に重要です。

ただし、何をもって「会社の経営に従事している」とされるのかは明確に定義されておらず、ある意味では税務署の判断に委ねられています。

しかし、役員に等しい権限を持っていたり、役員と等しい職務を担っていたりすると、みなし役員とされる可能性があります。

経営者の子供や親族が実質的に経営に携わっており、相応の給料・賞与を支給しているのであれば役員にしてしまった方が早いですが、そうでない場合は従業員のままの方が何かと都合が良いでしょう。

みなし役員については「経営者の家族がみなし役員となると節税メリットが少なくなる」で解説していますので、別途参照してください。