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分社化による法人税と消費税の節税メリット

会社が順調に利益を上げ、複数の事業が成長してきた場合、分社化を行うことで法人税や消費税の節税を行うことができます。

今回は、分社化によって得られる節税メリットについて解説します。

分社化による5つの節税メリット

分社化とは文字通り新しい会社をつくり、事業の一部を新しい会社に移すことです。二つまたは複数の会社をつくることによって以下のような節税メリットが生まれます。

1. 中小企業の軽減税率が適用される
2. 消費税の免税事業者となれる
3. 決算日をずらして利益調整を行える
4. 退職金を2回支給することができる
5. 交際費の枠が増える

1. 中小企業の軽減税率が適用される

2018年度の普通法人に対する法人税率は23.2%となっています。しかし、資本金1億円以下の中小企業で、課税所得が800万円以下の場合は軽減税率が適用され、法人税率19%となります。

さらに、2019年3月31日までに事業年度が開始する場合は、特例として法人税率が15%となり、さらに税負担が軽減されています。

ここで年間の課税所得が1500万円の中小企業を考えてみましょう。資本金1億円以下の中小法人では、課税所得が800万円以下の部分に対して税率15%、800万円を超える場合には税率23.2%が適用されます。

つまり、課税所得が1500万円の場合、800万円分の税率が15%で120万円、700万円分の税率が23.2%で約162万円になります。支払う税額は合計で282万円です。

ここで会社を分社化し、A社とB社の二社に分けたとします。主力事業を分けるようにするなどしてA社とB社で課税所得を半分ずつにすることができれば、A社で750万円、B社で750万円となり、どちらも軽減税率が適用される所得額となります。

実際に支払う税額はそれぞれ112万5000円(750万円の15%)で、合計225万円となります。

一社だけで1500万円の課税所得だったケースと比べて、57万円法人税を節税できたことになります(282万円-225万円=57万円)。

会社が主力事業を複数持っている場合は、分社化してそれぞれの会社に事業を振り分けることで、軽減税率の適用を受けることができます。

2. 消費税の免税事業者となれる

2年前の課税売上額が1000万円以下の場合、その年度は消費税の納税が免除されます。分社化することで各法人の課税売上額を1000万円以下にすることができれば、消費税の免税事業者となることができます。

また、新しく会社を設立した場合、当然2年前の課税売上額は0円になります。新しい会社は2年間は納めなくて良いと言われるのはこのためですが、分社化すれば新しい法人は課税売上額が1000万円を超える場合でも、最初の2年間は消費税を免除されます。

ただし、新しい法人でも、初年度の最初の半年間の課税売上額が1000万円を超える場合には、2期目から消費税を納税しなければいけない点には注意してください。

なお、初年度の最初の半年間の課税売上額が1000万円を超える場合でも、その期間に支払った給与額が1000万円以下であれば2期目も消費税は免税となります。

3. 決算日をずらして利益調整を行える

元の法人から新しい法人、あるいは逆に新しい法人から元の法人に仕事を発注するなどすれば、二つの会社の間で利益の調整を行うことができます。

特に、二つの法人の決算期が離れているほど利益調整の効果は大きくなります。

ただし、二つの法人間で利益調整を行う場合には、実際に仕事を発注しているなど実態が伴っていなければいけません。帳簿上だけでの利益調整などはもちろん違反ですので、税務調査が入った場合に厳しいペナルティーが科せられるリスクがあります。

4. 退職金を2回支給することができる

退職金は税制上非常に優遇されています。所得税率も通常の給与や賞与より優遇されており、また分離課税となっているため他の所得と合算されません。

そのため、経営者や家族役員に高額な給与や賞与を支払うのではなく、退職金として積み立てておく方が節税効果が大きくなり、最終的に多くのお金を手元に残すことができます。

会社を分社化して二つの会社で役員になれば、退職金を2回支給することができます。会社を二つに分けることで会社が支払う法人税を節税し、さらに退職金の支給回数を2回に増やすことで経営者個人の支払う税金も節税することができるわけです。

5. 交際費の枠が増える

会社が交際費として計上できる経費には上限額がありますが、分社化して二社にすることで単純に交際費の枠が二倍になります。

以上、分社化することによって得られる代表的な節税メリットを5つご紹介しました。会社が順調に発展し、大きな利益を上げる事業が複数できた場合には、分社化することで効果的に節税を行うことができます。

ただし、分社化にはリスクも伴います。これについては、「節税目的の分社化による発生し得るデメリット」で解説していますので合わせてお読みください。