生命保険の裏ワザ活用術をご紹介

法人税の節税における減価償却の基本

減価償却は、購入した資産の費用を複数年に分けて損金に計上していくことです。法人税の節税としては最も基本的な事柄ですが、減価償却の方法によってはあまり節税効果がなかったり、逆に有効に節税を行うことができる場合もあります。

法人保険に加入する前に利用できる節税は重要!

法人保険、中でも解約返戻金のあるタイプの保険は、上手に活用すれば大きな額の節税を行うことができます。

しかし、法人保険の保険料は決して安くはないので、法人保険を使って節税を行うためにはある程度のキャッシュが必要になります。

資金的に余裕のない企業だと、法人険を使うことは難しい場合も少なくありません。

そんなときは、法人保険以外で利用できる節税方法はないか、改めて考えてみるのも手です。法人保険を使うことばかり考えていたせいか、実はもっと低コストで利用できる節税の手段があった、ということも無きにしもあらず。

その基本は認められる限り経費を計上して損金を作ることです。上手に損金を作ることができれば、その分法人税の負担を減らすことができます。

今回は減価償却の基本を解説します。減価償却による費用の計上はどこの企業でもやっているものですが、やり方によって法人税の負担が変わってきます。

減価償却の基本

減価償却のメリットとデメリットは?

減価償却によって経費を複数年に分けて計上することは、メリットになることもあれば、デメリットになることもあります。

例えば、工場の新しい機械を1000万円で購入したとしましょう。この年度の会社の黒字が300万円しかない場合、購入費用の1000万円を全額経費として計上すると、合計で700万円の赤字となってしまいます。

あまり大きな赤字を出したくないときに、これは得策ではありません。この場合は、購入費用の1000万円を複数年に分けて損金とすることで、赤字の額を減らしたり、黒字を維持することができるので、減価償却はメリットと言えるでしょう。

逆に、同じく減価償却がデメリットとなってしまう場合もあります。

上の例で、会社の黒字が1000万円ある場合、新しい機械の購入代金1000万円の全額を経費にできるなら、黒字分が相殺されて法人税が課税されずに済みます。

しかし、実際には減価償却での経費計上となるため、かなりの黒字が残ることになります。仮に1000万円を毎年200万円ずつ、5年間にわたって減価償却するのなら、初年度は800万円の黒字が残ります。

法人税率を30%と考えるなら、240万円の法人税が発生します。さらに、新しい機械の購入代金も支払わなければいけないため、最初の年の負担がとても大きくなります。

この例では減価償却の制度によって逆に負担が増えています。

減価償却には「定率法」と「定額法」という二つの方法があります。どちらの方法が節税に良いかは、資産の購入費用や決算書の状況などのさまざまな条件で異なります。

減価償却の「定額法」と「定率法」

減価償却の「定額法」

定額法とは、毎年同じ額だけ減価償却し、最後の減価償却の後に1円だけ残す方法です。

定額法も同じですが、最後に1円だけ残すのは会計上の都合で、減価償却した資産があることを示すためです。

定額法では、資産の購入代金を法定耐用年数で割った額を毎年減価償却していきます。このとき、最後の年に1円が残るように調整します。

割り切れない場合は「償却率」という割合を使って減価償却額を求めます。

償却率=1/法定耐用年数 (小数点以下第4位繰り上げ)

例えば、購入価格300万円、法定耐用年数7年の資産を原価償却する場合は、償却率が1/7=0.143となります。毎年の償却額は300万x0.143=60万で42万9000円となります。

6年で合計257万4000円を減価償却しているので、7年目には300万円との差額である42万6000円を減価償却します。ただし、最後に1円を残す必要があるので、7年目の減価償却費は42万8999円です。

減価償却の「定率法」

定率法とは、毎年同じ率だけ減価償却し、最後の減価償却の後に1円だけ残す方法です。

毎年度、一定の率の額を減価償却しますが、定率法の償却率は「定額法の償却率x2」となります。毎年度、減価償却する額は、まだ減価償却していない資産の購入金額にこの償却率を掛けた額となります。

また、定率法の減価償却だと資産の法定耐用年数内に全額を償却できないため、減価償却額が「一定の額」を下回るようになったら、それ以降は定額法を使います。

「一定の額」とは、資産の購入金額に「保証率」という数値をかけたものです。保証率は法定耐用年数によって異なり、国税庁のウェブサイトで確認することができます。

上に挙げた例の法定耐用年数7年であれば、保証率は0.08680になります。

つまり、資産の購入金額が300万円なら、減価償却額が26万400円を下回った時点で定額法に切り替えます。