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逓増定期保険と長期平準定期保険の経理処理ー最終的には全額を損金にできる?

逓増定期保険と長期平準定期保険は法人保険において最もよく利用される保険です。

どちらも原則として支払い保険料の1/2を損金に算入することができ、また適切な時期に保険を解約することで、ほぼ支払い保険料と同額の解約返戻金を受け取ることができます。

そのため、法人税の節税、決算書の損益調整、経営者の退職金積み立てや事業承継の資金積み立てなど、さまざまな目的に利用することができます。

実は、逓増定期保険と長期平準定期保険の支払い保険料の1/2損金算入という表現はあまり正確ではありません。

実際の経理処理はもう少し複雑になるため、簡略化のために「1/2損金」という表現が使われていますが、逓増定期保険と長期平準定期保険は、最終的には支払い保険料の全額を損金にすることができます。

今回はこの点について少し詳しく解説したいと思います。

*逓増定期保険では、保険契約終了時の被保険者の年齢などの条件によって、保険料の損金算入額が1/3や1/4になることもあります。

逓増定期保険と長期平準定期保険が1/2損金の理由

一般的な定期保険では解約返戻金がなく、満期を迎えた場合には掛け捨てとなります。保険の資産性が低く、定期保険は純粋な福利厚生のための保険と見なされます。

そのため、定期保険の支払い保険料は全額を損金に算入することが認められています。

ここに目を付けたのが保険会社でした。

逓増定期保険や長期平準定期保険は定期保険から派生した保険商品ですが、解約返戻金があったり、実際には資産性・貯蓄性が高い保険です。

しかし、かつては定期保険の一種であることから、支払い保険料の全額を損金に算入することができました。そのため、節税目的でよく使われていました。

今では、支払い保険料の損金算入割合が1/2(一部では1/3や1/4)に制限されており、かつてほどの節税効果はありません。

とは言え、逓増定期保険も長期平準定期保険ももともとは定期保険です。実は、今でも最終的に支払い保険料の全額を損金に算入することができます。

逓増定期保険と長期平準定期保険の経理処理

逓増定期保険**と長期平準定期保険の経理処理を確認しましょう。

**逓増定期保険は支払い保険料の1/2を損金に算入する場合で考えています。

経理処理は保険契約の最初の6割の期間と残りの4割の期間で異なります。

①保険契約の最初の6割の期間

支払い保険料の1/2を損金に算入し、残りの1/2を資産計上する。

年間の保険料が120万円なら、60万円が損金算入、60万円が資産計上となります。

②残りの4割の期間

支払い保険料の全額を損金に算入します。

また、保険契約の最初の6割の期間に資産計上した総額を取り崩し、残りの4割の期間で按分して損金に算入します。

年間の保険料が120万円なら、120万円全額を損金に算入します。

さらに、保険契約の最初の6割の期間を6年、残りの4割の期間を4年と考えると、最初の6年間に資産計上した保険料の総額は360万円となります。

この360万円を4年で割ると、1年あたり90万円となります。この90万円を毎年、支払い保険料の120万円と合わせて損金に算入します。

つまり、残りの4割の期間では210万円を損金にすることができます。